エンジニアの自分がコミュニケーション問題(コミュ障)を改善できた話1

プログラミングあれこれ

エンジニア、プログラマーのコミュニケーション問題(コミュ障)について

エンジニアや特にプログラマーの方々のコミュニケーション力が低いことは、よくネットでも取り上げられ揶揄されたりネタにされることが多いと思います。

実際どうかというと全ての方がそうだという訳ではありませんが一定数のいわゆるコミュ障だなと思われる方と仕事で遭遇するケースはあります。

私はSEとして8年の経験がありその間にもプログラマーの人とやり取りを経験して確かにコミュニケーション力に難があるなと思う人に会う確率は多いように思います。

しかし今でこそ人としゃべれるようになりましたけど、かくいう私も元々はコミュ障だったと自覚しています。

このコーナーではプログラマー、エンジニアのコミュ障を改善できるようなヒントになるお話や手法について実体験をもとに紹介していければと考えています。

今日は私の実体験やエピソードをつらつらと書いていこうと思います。そしてどのようにしてコミュ障を改善してきたかはまた別の記事でお話します。

人としゃべりたくないからエンジニアになった

自分のことです。私は「人が居るところに争いあり」と思っていたし「人との会話が怖い」と思っていました。

「そうだ!エンジニアになればパソコンと会話する毎日、人としゃべる必要なんて無いに違いない」と思い立って何も調べずに大学の学生課に行きSE職を募集している企業の推薦面接に行ったのです。

たまたま合格してしまいその会社に新卒で入りSEになったのです。

現実は違う、SEはコミュニケーションも大事だった‥

入社してから研修を終えた私は新人なのになぜかPL(プロジェクトリーダー)を任されました。役職も職権も無いただのPLです。直の上司は課長でした。

業務委託先(外注)としてプログラマーに2名来てもらい、3名体制でプロジェクトが始まったのです。

業界の用語とシステムの用語がわからない

プロジェクトの立ち上げ当初は打ち合わせが多かったです。

お客さんと課長と私で要件定義のフェーズですね。

PLとは言え新人ですから議事録を書きながら今回のシステムの全体像や、エンドユーザー、使われている技術などを把握していった感じです。

通信業界だったので専門用語が多くて大変でした。話を聞きながら議事録を書いていくわけですがその用語の意味をわからず(調べる間もなく)議事録にしていったりして。

課長からは「なんじゃこの議事録は」「書き方がなっとらん」と何度も怒られたのを記憶しています。

議事録の書き方なんて誰も教えてくれないし会社の研修でもないし、大学でそういう授業もないし、わからないんだよ~( ;∀;)

いまはネットで簡単に調べられるし雛型もあるから書きやすいと思いますが、当時の新人私にはそこまで頭がまわりませんでした。

議事録を書く日々で精神的に疲弊していたのを思い出します。

専門用語を調べて把握しておく

通信系の専門用語は結構大変です。基地局、ARPU、プロトコル、MPEG、H.263、、、目に見えないモノの話をされると混乱しますよね。コミュニケーションの前段階で言葉を把握しておくことは大事です。別に通信系じゃなくてもその業界のワードは理解しておきましょう。わからない言葉が出てきたらそのタイミングで遮って「スマンけど教えて」って言わないといけないですね。

常にベストコンディションで

日々怒られてると精神が摩耗してつらくなってきます。何か発言して怒られたらどうしよう、となれば委縮するのも当然。うまく会話なんてできるはずありません。「怒られたくない」はコミュニケーションを阻害します。なので自分の精神状態はできるだけフラットに安定した状態であることが望ましいです。同時に職場では怒らない環境、後輩が委縮しない会話を心掛けてほしいものです。

言ってる意味がわからないんじゃなくて、優先順位がわからなかった

システム開発中に上司や先輩やお客さんから色んな依頼があります。

あの仕様ってどうなってたっけ
メール返しといて
お客さんは何て言ってた?
ここのプログラムの動作おかしくないですか
今月残業どれぐらいいきそうか
午後に会議やるからな
これコピーしといて
とぉるるるるるるるるる(電話音)

メールも来るし電話もくるし。1件1件お話を聞いて作業をするわけですが。

残念ながら自分は1人しかいないわけで。「おい!さっき依頼したコレなんでまだ手を付けてないんだ」みたいなこともしょっちゅうです。

それでコミュニケーションが取れてないんだと自己嫌悪したことは何度もあります。

コミュニケーションじゃなく優先順位

色んな人から色んな依頼を受けると、どれが重要ですぐやらなきゃいけないのかわからなくなってきます。優先順位は自分で決めるのですが、相手がいることなので相手の中での重要度と温度差があると「なんでやってないんだ」てことにもなるわけです。私に足りなかったのは「これいつまで終わればいいですか」の一言でした。別に上司やお客さんの言うことが絶対じゃないので言えばよかったんですけど、当時はそれがわからなかったんです。

足りなかったのは交渉力

「これいつまで終わればいいですか」を言えるようになってもまだ問題がありました。それは全部引き受けると自分1人が大変になってくる、ということ。「じゃぁ今日中にやっといて」「なるはやで!」「明日まででいいよ」こんなこと言われると「全部今日やんけ」ってことになります。私は自分が残業してやれば今日中(24:00)には終わるな、なんて思って仕事してたのです。で、実際にはたいして急ぎでもない仕事で徹夜をしたこともあるのです。

今日中というのは今日の18時までの営業時間までのことです。それをまず意識。仕事は自己犠牲ではないです。

それから「いまこの仕事やってるから、あなたの仕事は明日でもいいですか」「来週でもいいですか」「それが駄目なら他の人に依頼してください」っていう交渉をすること。これが大事。

プロジェクトが納期遅れに

なんと最初に携わったプロジェクトが納期遅れをひきおこし、会社の中でヤバいプロジェクトになり部長からマークされてしまうどころか、会社対会社の違約金とかそういう話に発展してしまいました。(´ω`)

なぜ納期が遅れたのか?

それは納品したソフトウェアに抜き差しならないレアケースのバグがあったからです。このバグがあるせいでエンドユーザーが不利益になる可能性があり見過ごすことができない、とのこと。

コミュニケーションというよりも書類

今回の納期遅れはコミュニケーション不足というよりもビジネスマンとしての重要な部分を気づかされました

お客さんと品質についての着地点を打ち合わせ、書類で抑えていなかったことが自社としての落ち度です。

加えて自分は今回の契約まわりの書類を読んだことがなかったのです。つまり契約書。契約書もみないでよく仕事してたと思うけど。。

新人だったので課長の言われるがまま目の前のワークにだけ集中してたのがいけなかった。

課長はそれまで何をしてたんだと疑問に思う人もいると思いますが、自分から課長には「順調だよ~」しか言ってなかったんで。ほとんどこのプロジェクトにはノータッチだったと。

契約書読もう。わからんところ質問しよう。契約書読まないと何が重要でどんな仕事を優先で進めたらいいかわからなくなるよ

居場所がなくなる‥

お客さんから怒られ、課長から怒られ、部長にも目を付けられ。外注先のプログラマー2人からも怒られ。もう死んだと思いました。

「自分はシステムエンジニア向いてないんじゃないか」

何度も土日祝日出勤、徹夜して大変だった。いわゆる炎上したプロジェクト。あとから先輩SEが何名か参画してきて先輩にも怒られまくり。

勿論PLから外され、自分を経由する仕事は少なくなったと記憶しています。(正直あのころ毎日脳がフラフラしてて記憶があまりない)

「仕事ありませんか」「何かやることありませんか」と言えば「自分で探せ」「何がしたいの」と言われ。

死ぬことは考えなかったけど絶望しかなかった

今思うと‥「仕事ありませんか」はおかしい

携わってる仕事の契約書を見ればすべてわかる。何をやらなきゃいけないのか。そこからタスクを分解して自分が出来るところをやる。それだけ。

自己主張する、「ちょっとまって」と言う

仕事でミス続きだとつらいところですが、言うべきことは言う。自己主張することから始めよう。

私は喋りが下手だからいちいち考えながらゆっくり話すのですが、その考えてる時に矢継ぎ早にあれこれ言われると混乱します。

そうすると自分が言いたいことが言えなくなるので「ちょっとまって」「僕が話してもいいですか」これを言う必要があります。

このワードかなり重要だと思います。

相手はこちらがあまり理解していないんじゃないかと思ってあれこれ言葉を変えて、あるいは細かく説明しようと思って話をしてくることがあるので。

今あなたの話を咀嚼して理解している段階だからちょっと話を止めて、って言わないと。

絵を描く

いっきに話されると何を言ってるのかわからなくなります。10秒ぐらい話がつづくと「ちょっと何言ってるかわからない」状態。

そんなときは「慎重に理解したいので、図で整理していいですか」これがいいですよ。

プロジェクトが終わって

増員されたおかげもあって炎上プロジェクトは終わりになりました。

上司からは「俺の話がうまく伝わらないなら異動願いでも出そうか」「話が通じないとお互い不幸になる」「他の職場ならうまくいくかもしれない」と言われました。そのときは「もうすこしやらせてください」といった気がします。

その後は別の仕事を任されました。何のプロジェクトか覚えてないのですがコツコツ続けて自信がついてきたころには普通に会話もできるようになってたように思います。

そのあとはシステム開発に携わったり、サポートデスクを兼務しながら、品質管理やったり、他の開発に異動になったり。営業系のSEをやったり。コミュニケーション力はそんな中で鍛えていきました。

その間コミュニケーション教室に通ったり、営業術の講座を受講したり自己投資を惜しまずやってました。

SEを辞めた後は営業・販売の仕事を2年やって、そのあとは起業しました。

今では「コミュニケーションはこうだ!」みたいに深く考えません。相手に伝わればいいし、相手の話を理解できればいいので。

とはいえ何往復もして理解できるよりは1往復で理解しあったほうがいいですよね。

トークだけじゃなくて、身振り手振り、絵、図、資料、動画、イメージ、いろんな伝える手段はあるので。

辛い過去の話。とりとめなく書き上げました。何か今苦しんでる人のヒントになれば幸いです。

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