
ねぇ、ニュースで見たんだけど、カルビーのポテトチップス、また量が少なくなるって本当?値段は同じなのに、どうしてなんだろう?



そうなの!ポテトとか油とか、作るのに必要な材料の値段がすごく上がってるからなんだって。値段を上げずに頑張るための工夫みたい。



具体的にどの商品がいつから対象になるのかな?ポテチだけじゃなくて、かっぱえびせんとかも変わるのか、買い物のために知りたいな。



これは「シュリンクフレーション」という現象です。原材料高騰のコストを価格に直接転嫁せず、内容量で調整する経営戦略となります。
カルビーは、原材料価格の高騰を受け、2024年6月1日から「ポテトチップス」など主力商品の内容量を順次変更すると発表しました。価格据え置きによる消費者への配慮も見られますが、これは実質的な値上げである「シュリンクフレーション」にあたり、家計への影響が注目されます。
カルビーが踏み切った「実質値上げ」の背景分析
深刻化するコストプッシュ圧力と企業の価格戦略
今回の決定は、コストプッシュ型インフレが直接的な原因です。主原料の馬鈴薯(ばれいしょ)や食用油、包装資材、物流費まで軒並み高騰しており、企業努力だけでのコスト吸収は限界に達しました。全面的な価格転嫁ではなく内容量調整を選択したのは、消費者離れを最小限に食い止めたいという戦略的判断です。
カルビーは生産ラインの効率化などでコスト削減に努めてきましたが、世界的なインフレの波には抗しきれない状況です。この動きは食品業界全体に共通する課題であり、各社が同様の対応を迫られています。
内容量変更が消費者と市場に与える影響
「シュリンクフレーション」がもたらす家計への負担と消費者心理
価格は同じでも内容量が減るため、グラムあたりの単価は上昇します。消費者が気づきにくい形で進行するため、「隠れ値上げ」とも呼ばれ、実質的に家計への負担増につながります。特に購入頻度の高い商品ほど、その影響は大きくなります。
企業にとっては、消費者からの不信感やブランドイメージの低下につながるリスクも抱えています。そのため、内容量変更の理由を丁寧に説明し、品質を維持・向上させる姿勢を示すことが、顧客との信頼関係を保つ上で不可欠です。
今後の展望とカルビーの次なる一手
高付加価値化と海外事業強化による収益構造の改革
国内のコスト高騰に対応するため、今後は利益率の高い高付加価値商品の開発や、健康志向といった新たなニーズに応える商品ラインナップの強化が加速すると予測されます。定番商品の利益圧縮をカバーする狙いです。
同時に、成長著しい北米やアジア市場など海外事業の展開をさらに強化し、収益源を多様化させる動きが重要となります。国内市場への依存度を下げ、グローバルな収益ポートフォリオを構築することが、持続的成長の鍵となるでしょう。