
ブルガリアがシェンゲン協定に加盟したってニュース見た?これでヨーロッパ旅行がもっと楽になるのかな?



そうなの!まずは空と海からだけど、面倒な入国審査がなくなるから、飛行機や船での移動がすごくスムーズになるよ。経済的にもプラスみたい!



なるほど。じゃあ、車や電車で行く時の陸の国境はどうなるの?完全な加盟にはまだ課題があるってこと?



その通りです。陸路国境の開放は、不法移民問題を懸念する一部の国の反対で見送られました。これが完全加盟に向けた最大の課題と言えます。
2024年3月31日、ブルガリアはシェンゲン協定へ部分的に加盟しました。この歴史的な一歩により、空路・海路における国境審査が撤廃され、人やモノの自由な移動が加速。観光業や物流を中心に大きな経済効果が期待されています。
シェンゲン協定部分加盟がもたらす具体的変化
空港・港における手続きの簡素化とその効果
今回の加盟で最も大きな変化は、シェンゲン協定加盟国間の空路・海路における出入国審査が撤廃された点です。これにより、空港や港での待ち時間が大幅に短縮され、手続きが国内移動並みに簡素化されます。観光客の誘致やビジネス渡航の活性化に直結し、ブルガリア経済の成長を後押しするでしょう。
例えば、ソフィア空港からシェンゲン圏内の都市へ向かうフライトは国内線と同様の扱いです。乗り継ぎの利便性も格段に向上するため、ブルガリアをハブとした航空ネットワークの拡大も期待されます。
完全加盟への道筋と残された課題
陸路国境の未開放が経済に与える影響
一方で、トラック輸送などが頻繁に行われる陸路での国境審査は依然として残されています。これは、オーストリアなどがブルガリア経由での不法移民の流入ルート化を強く懸念し、陸路国境の開放に反対しているためです。
陸路国境での長い待機時間は、ブルガリアの輸出入における深刻なボトルネックです。物流コストを増大させ、欧州市場における競争力を削ぐ要因となっており、早期の解決が経済界から強く望まれています。
今後の展望とブルガリアの取るべき戦略
完全加盟に向けた外交努力と国境管理の強化
ブルガリア政府は、陸路国境を含む完全なシェンゲン協定加盟を最優先課題に掲げています。オーストリアなどの懸念国を納得させるため、国境警備体制のさらなる近代化や、不法移民対策におけるEUとの連携強化をアピールしていく方針です。
まずは空路・海路での円滑な運用実績を積み重ね、国境管理能力に問題がないことを証明することが重要です。この実績を外交カードとして、2024年内にも見込まれる陸路国境開放に関する次期交渉を有利に進める狙いです。